MotoStudies: バイク研究のための覚書

大学で交通工学(に関連する何か)の研究をしており、最近、バイク関連の授業や研究を始めました。

2stオフ車のキャブレター調整の考え方の整理

実際にいまいじっている、強制開閉式のMIKUNI VM26系が前提。
 

キャブの調整箇所と、何が変わるのか

調整でいじれる項目:

  • アイドリング調整ネジの締め具合(全閉時のスロットルバルブの隙間の広さ):アイドリング時の混合気量を調整(アイドリング回転数が変わる)
  • エアスクリューの戻し角:スロー系の空気量を調整(混合気量と空燃比が変わる)
  • スロージェットの番手:低開度時の燃料量を調整(空燃比が変わる)
  • メインジェットの番手:全開時の燃料量を調整(空燃比が変わる)
  • ジェットニードルのクリップ位置:中開度域の燃料量を調整(空燃比が変わる)
  • フロートアーム中央のツメの確度:フロート高さ(油面高さ)を調整(全域にわたり空燃比が変わる)

※油面は調整というより既定値に合わせるのが基本。オーバーフローしてる場合は高すぎる。
※ニードルは細かくいえばクリップ角だけでなく形状(テーパー角)や太さの違いも影響する。
※他は必要があれば調整。
 
補足(VM26系には存在しないが参考に):

  • フューエルスクリューの戻し角:スロー系の燃料量を調整(空燃比が変わる)

パイロットスクリューに、空気量を変えるもの(エアスクリュー)と燃料量を変えるもの(フューエルスクリュー)があり、最近は後者が主流。日本では、後者だけを指して「パイロットスクリュー」と呼び、「エアスクリューとパイロットスクリューの違い」とか言う場合が多いのだが、英語だとair screwとfuel screwという呼び分けがされている。
※エアスクリューはキャブの後ろ側(エアクリ側)、フューエルスクリューは前側(エンジン側)に付いている。
 
走行時の操作(キャブ調整ではないが参考に):

  • スロットルバルブ高さ(スロットル操作によるもの):すべての開度域にわたって(ただし特に低開度域の)混合気量を調整(出力=トルク×回転数が変わる)

 

混合気量と空燃比が変わった場合の影響

  • 混合気の量そのものが増えると、出力が上がる
  • 空燃比が濃くなると、燃焼がゆっくりになり、低回転のトルク感が増す(かぶりやすい,高回転への吹け上がりが鈍い)
  • 空燃比が薄くなると、燃焼が速くなり、回転上昇がシャープになる(低回転が不安定,エンストしやすい)

※限度を超えた濃すぎ、薄すぎはいずれも燃焼が不安定になる。濃すぎの場合はプラグがかぶって黒っぽくなる、排気ガス臭いといった症状、薄すぎの場合はプラグが焼き付いて白っぽくなる、高回転でパワー急落といった症状。
薄すぎるよりは濃すぎるほうが遥かにマシ。2stは圧縮比が大きく熱負荷も高いので、薄すぎると高温になりオイルも不足して、焼き付いてピストンが逝くケースがよくある。濃すぎてかぶるのは致命傷にはならない。
※燃料を濃くすることで、トルクの最大値が増すわけでも、爆発のエネルギーが増すわけでもなく、混合気の燃え広がりが遅くなってトルクの持続を感じやすくなる。濃い場合は持続型のトルクが生まれ、薄い場合は瞬発的なトルクが生まれるので、瞬間的な最大トルクは薄い場合のほうが高く、高回転時はそちらが有利(薄めの方がパワーバンドが上にズレて高回転域が強くなる)。

調整の手順

まず大前提として、

  • 油面高さを既定値に合わせる。(オーバーフローしないように)

気象条件などに合わせた日々の調整としては、

  • まずアイドリング調整ネジでアイドリング回転数を止まるか止まらないかのレベルに合わせる。
  • 次にエアスクリューで低開度での回転の安定性や低速時の粘りのフィーリングを合わせる。

※低開度時、薄すぎると開度一定でも回転数が上昇してしまったり、一気に開けたときにボギングが起きる。

走りを方向づけるという意味では、

  • 全開にしたときにちゃんと吹けるかを確認(濃すぎると逆に回転が下がる)。調整するならメインジェットの番手を変えるとかになる。
  • 低開度での安定感を確認。エアスクリューの戻し角で調整。
  • 低開度から全開まで徐々に開けて行って、中開度域で違和感なくつながっていくかを確認。調整するならニードルクリップ位置等。

※薄すぎるとエンジンが焼き付いて致命傷になるので、濃いめから試していくのが鉄則。
※スロットル開度大→中→小の順で調整する人もいる。

車両特性ごとの違いとしては

  • トライアルは、低開度も高開度もやや濃いめ。
  • エンデューロは、低開度でやや濃いめ、高開度でやや薄め。
  • モトクロスは、低開度も高開度もやや薄め。

バイクの配線図を読む前に意識すべきこと

バイクの配線図は意外と手強い

男性の場合、「小中学生の頃によく電気工作をしていた」「高校物理で電磁気の単元は好きだった」という人は、割といると思います。
電池とスイッチと負荷(電球等)のつながりを追うことには慣れているし、モーターと発電機の構造が鏡写しになっているということも知っている。電圧と抵抗と電流の関係は理解してるし、電磁誘導の原理やコンデンサの仕組みも頭に入っている。
しかしそういう人でも、バイクの配線図をいきなり見ると、「思ったより理解しづらい」と感じるのではないでしょうか。

じつは、私自身がそうです(笑)
最近、古いトライアル車の整備を進めていて、保安部品の取り付けを計画するためにオーナーズマニュアルの配線図を初めて読みました。ウィンカーもセルもFIもないので、バイクの配線図としては最もシンプルなものであるはずなのですが、それでもよく分からないことが多くてけっこうイライラしました。


もっと複雑な最近のバイクの配線図なども見ながら、いろいろ調べてようやくある程度読めるようになってきたんですが、以下のようなことを事前に意識しておくと読みやすくなると思ったのでメモしておきます。
記号の意味とかではなく、前提知識と考え方の話です。

あくまで「配線図」である

配線図はあくまで配線図であって、回路の論理的な構成を把握することよりも、「バイクの車体のどこで、何色と何色の配線を繋いでるか、何色の配線をスイッチのどの極に繋いでいるか」を把握するためのものです。
なので、丹念に追えば回路図として理解はできるんですが、一本の回路がけっこうあちこち回るので、ちょっとめんどうではあるんですよね。

たとえばウィンカーは前にも後ろにもあって、ハンドルスイッチや、メーターパネルのインジケーターとも繋がるので、バッテリーのプラスから出てマイナスに戻ってくるまでがけっこう長いですし、右側系統と左側系統があってスイッチで切り替わるようになっています。また、ブレーキランプは後ろだけですが、スイッチが前ブレーキと後ろブレーキについてて、電球(LED)部分は常時点灯のテールランプと一体になっていたりします。

アースの意味が家電とは異なる

バイクの配線図を見始めて最初につまづくのって、ここなんじゃないでしょうか。
冷蔵庫や洗濯機の「アース」は、漏電したときの電気の逃がし先で、地面に刺さった電極につながっていてそこが電位ゼロ地点となります。
一方、バイクやクルマの配線におけるアースとは、「フレームアース」「ボディアース」のことで、これはフレームやボディを介してバッテリーのマイナス極に戻ってくる流れなので、全然意味が違いますね。
各電装部品のマイナス側は、いちいちバッテリーのマイナス側まで配線する必要はなく、それぞれの機器の近くにあるボディ部位に接続しておいて、バッテリーのマイナス端子もボディにつないでおくわけです。
アース(地球)にはつながってません(笑)

家電のアースは安全装置であり、エネルギーを利用したい回路とは別のところに電流を流してしまうものですが、バイクのアースは直接利用される回路の一部です。ところが、そのことを知らずに配線図を見ると、図上ではアース記号は終端になっていてバッテリーのマイナス極につながったりはしてないので、家電のアースと同じようなものと勘違いするとともに、回路が完結していないように見えてしまいます。

点火系・灯火系・発電系・スターター系に分かれている

ホーンやラジエターファンや携帯のUSB充電などの補機類もありますが、大きいところでは、配線図は点火系と灯火系と発電系とスターター系に分けて理解するのがいいと思います。

  • 灯火系は、バッテリーとスイッチとリレーと灯火類がつながる流れ。
  • 点火系は2つの部分に分かれていて、バッテリーから来た電気がイグニッションコイルで高圧化されて放電する流れ(火を付けるためのエネルギー)と、ピックアップコイルやO2センサーなどのセンサー類から信号がECUに届く流れ(空燃比や点火タイミングの制御のための情報収集)。古いキャブ車だと、バッテリーではなく交流電源から直接CDIに流れていくようになっている。
  • 充電系は、フライホイール周辺に設置されたコイルで交流の電流が生みだされ、レギュレータによる安定化とレクチファイアによる直流化を経てバッテリーに届く流れ。
  • スターター系は、要するにセルを回すための流れですが、セルが食う電力が極端に大きいので、セル自体の動力源となる電気の流れと、始動の合図をするためのスイッチの流れが分けられています(スターターリレー)。

 

配線ネットワーク中の「等電位な領域」を意識する

配線図の導線(長い線)は、もちろん「電気が流れていく通路」として読むこともできるのですが、そういう見方とあわせて、「導線で直接つながっている部分は全体として一つのノード(同じ電位をもったセグメント)になる」と理解するような見方もできたほうがいいと思います。言い換えると、導線をネットワーク用語でいう「リンク」として見る人が多いと思いますが、電気の流れを考えるとコストが生じるのは負荷機器の内部なので、負荷機器をつないでいる導線を「ノード」として見るような発想も持てたほうがいいんですよね。

その典型が、アース側の配線です。これは、電気がどう流れているかを線に沿って追うより、すべての電流が最終的に流れ込んでくるプールみたいなものと考え、一つの領域として扱ったほうが読みやすいですね。

例えば、ベテランは配線図の中で「キーONにすることで生きる部分」を常に識別してるらしいのですが、これも要するに、「キーONにしたときに(アースを0Vだとすると)12Vの電位になる領域」を意識しているということですね。例えば、どこかに電気が来てないというトラブルのときに、「どこで線が切れているか」を探す前に、「どこまで12Vの電位が届いているか」と考えて、「このノードはいま何Vなのか」をテスターで測るとか、そういうことです。

リレーとセンサーの役割は個別に勉強するのがよい

リレーとセンサーは、色々種類があるので、配線図を読む前に1つ1つ、役割と仕組みを調べておくのがいいです。それをやってないと、不明点が多くてイライラして配線図を読む気がなくなります。

ウィンカーリレーとスターターリレーが代表ですが、バイクの配線の中には「リレー」というものがたびたび出てきます。リレーは「中継」(バトンタッチ)の意味ですが、本質的にはスイッチの一種だと思えばいいと思います。
たとえばウィンカーリレーは「点滅を生成するスイッチ」と理解すればよく、ハンドルスイッチと電球の間に直列に入って中継している感じになっています。
スターターリレーはちょっと特殊で、これは「セルを動かすための中継スイッチ」ですね。人間が直接操作するのはハンドルのスターターボタンですが、これは「セルのスイッチに動作指示をするためのスイッチ」ということになります。「命令用の小電流」と「実際に仕事をする大電流」を安全のために分離しているもので、指示のネットワークと仕事のネットワークを中継していると言えます。

センサーはいわば情報源で、その代表はECUにつながるO2センサーなどですが、スイッチを兼ねているものもある点に注意が必要かもですね。たとえば、ラジエターファンをサーモスタットで制御している場合、これは温度を感知する「情報源」であるとともに、ファンをON/OFFする「スイッチ」でもあります。サイドスタンドスイッチも、サイドスタンドが出ているかどうかを把握するセンサーであると同時に、スターターの回路を切ったり繋いだりするスイッチでもあります。ブレーキランプを点灯させる前後ブレーキのスイッチも同様ですね。

メインキーは曲者

メインキーは、配線図を読むうえで、けっこう曲者です。
多くの回路が経由する「ハブ」のような存在になってますし、キーのON/OFFによって特定の機器が動くというのではなく、配線ネットワークの各部分の状態がどう変わるか(「ここからここまでの範囲に12Vの電圧がかかるんだな」みたいな)を意識することが大事なので。

さっき少し触れましたが、配線図を読むときに「この部分はキーONで初めて生きるのか、それとも常時電源なのか」を区別する必要があって、メインキーと無関係に常時電圧がきている系統もあるし、キーをパーキングポジションに入れたときだけポジションランプやテールランプが点灯するという流れもあります。

また古いキャブ車の場合、キーをOFFにしたときに(回路を遮断するのではなく)点火系をアースに短絡させるという、キルスイッチと同じ仕組みでエンジンを停止させているようです。点火系がバッテリーで動いてるわけではなく(だからバッテリーが上がっても始動できる)、クランクを回せばジェネレータ由来の電気が通ってしまうからですね。

年代やバイクの種類によって構成がけっこう違う

ネット上のブログ記事やYouTube動画などで「配線図の読み方」を解説したものがいくつもあるのですが、前提としている配線図が自分が持っているバイクと大きく異なっていると、頭に入りにくいので注意が必要です。

古いバイクと最近のバイクでは、電装系の構成はかなり違っていますし、中型・大型バイクに比べて原付などの小さいバイクでは省略されている部分がけっこうあります。
また、保安部品のないレーサーの場合は、公道車両に比べて極端にシンプルです。灯火類がなくなると、そのためのスイッチやインジケーターも不要になるので、配線が一気に減ります。メインキーがないのも地味に重要ですね。
FI車はキャブ車に比べて、点火系(を制御するための情報収集)のセンサーの数が大きく増えます。キック式のバイクの場合、スターター系がごっそりなくなります。

直流化をどこまでするかもけっこう違っていて、古いバイクや小さいバイクだと、交流電源をそのままヘッドライトやテールランプに使っていたりしますね。私はいま古いトライアル車の配線を考えているのですが、そもそもバッテリーレスなのでジェネレータの交流電源が(整流される部分もありますが)そのまま負荷機器につながっていきます。こういう車種の場合、配線図の各部分が交流なのか直流なのかを、つねに意識することが重要になります。

CRF250Lを軽バンでトランポできるのか

軽バンを購入

オフロードバイクの技術の練習用に、中古のボロいトライアルバイクを買いました(トライアル競技がやりたいわけではなく、軽いバイクでフロントアップやステアケースなどの練習がしたいという感じです)。

で、トランポが必要になるので、ついでに、これも中古のボロい軽バンを買いました。エブリィバンのDA64Vというものです。

トラ車はまだ届いていないので、手持ちのCRF250Ls(少しローダウンしてある)を積めるかどうか試してみました。

→ トラ車のほうは、ふつうに入りました。角度によって少し天井に当たるのが気になったので、ハンドルを緩めて手前に倒すようにしてます。(後日追記)


タイダウンベルトでフロントフォークを縮める方法

まず、フロントフォークをタイダウンベルトで縮める方法だけでいけるかやってみたのですが、高さがギリギリ無理という感じでした。

何センチ縮めたか測ってはいませんが、自分なりに限界まで縮めた状態(もっと縮められるような気がしつつ、タイダウンベルトで縮めるのもけっこう難しいです)で、バックミラーを完全に外したりしても、荷室の開口部の高さにハンドルがギリギリ当たってしまいます。

無理すれば入らないことはないですが、無理に入ったとしても、出すのが大変になるので、あまり意味がないと思いました。


フロントホイールをネコタイヤに付け替え

なので、フロントホイールをネコタイヤ(一輪車)に付け替える方法を試してみました。

これだと高さは全く問題無くなります。

ただ、ホームセンター等で売っている一輪車用タイヤは、一般的には軸径が16mmで、CRF250LのMD38ならアクスルシャフト径が細いのでいけるらしいのですが、MD47だと微妙に入りません。左フォークのアクスルナット?の部分はM16なので、入るような気がしたのですが、軸の部分はもうちょっと太いので入りません。

で、探すと、一輪車用ではないですが、軸径が19mmとか20mmのタイヤも売っていて、私は下記の1つ目のもの(リム径Φ175mmではなくΦ250mmのものを選択する必要あり)を買いましたが、タイヤ自体の径が小さすぎて逆に使いにくい感じがしました。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0795DGK1G/?th=1

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00OZI09O0/

で、最終的にこちらに落ち着きました。

https://www.amazon.co.jp/dp/B07QDD4B1F

長さをどうするか

さて、高さが行けても、問題は長さです。
一応、ネットの記事では、フルサイズのレーサーを斜めに傾けることでエブリィバンに積んでいる例があったので、いけると思うのですが、小さなクルマにバイクを斜めに詰むのはけっこう難しいです。
まず、ラダーはなるべく中央寄りに置かないと、開口部にハンドルがつっかえてしまうので、バイクをいったんほぼ真ん中に積む必要があります。フロントはハンドルを切ればいい感じで左端に行ってくれるのですが、リアは積んだあとに右寄せしないといけなくて、重すぎて1人では無理です(笑)
プラダンを2枚重ねて下に敷いて滑りやすくして、かつタイダウンベルトを使ってリアを右に寄せる(すべらせる)という方法を思いついたのですが、まだ試してはいません。
それよりはむしろ、助手席のシートを外してN-VANみたいにフラットにして前に押し込んでしまうほうが、積み下ろし作業も楽だしスペース的にも余裕があるのではと思いました。

助手席シートを外す作戦

まだ実行してないのですが、シートを外すこと自体は簡単のようです。助手席にもシートベルト等の配線があった場合、それを慎重に外す必要があるのかも知れませんが、配線なしなら、単にボルトを抜いて外すだけなので簡単っぽいです。
ただ、たぶん、フラットにした後席と助手席の台座のあいだに溝ができるので、これは角材かなにかで埋めて完全フラットにしたほうがよさそうですね。
後日、試してみます。

→ 余裕で外せました。後席とのあいだに角材を入れて、3mm×500cm×1000mmのゴムシート載せたら、自然に積めるようになりました。(後日追記)

CRF250L、セロー250、WR250R、KLX230 SHERPAのギア比を比較

CRF250L(現行のMD47)のギア比(トランスミッションの変速比)は、高速道路などを走るのを快適にするために、6速を強く高速側に振ってあると言われるのですが、私は毎日のように高速道路を走ってるものの、実際そんなに実感するほどのことではないですね(笑)
少なくとも、5速と6速の間に、「一気に高速寄りになる」ようなジャンプを感じることはないです。
1速から6速までのギア比の推移を、先代モデルのMD44と比較してみます。
なお、クランクシャフトからトランスミッションまでのギア比を「1次減速比」、トランスミッションのギア比を「変速比」(シフトチェンジによって変わるのがこれ)、フロントスプロケットとリアスプロケットのギア比を「2次減速比」を呼び、それらをかけ合わせたものをここでは「総減速比」と呼ぶことにしてそれで比較します。要は「トータルのギア比」です。



確かに6速はMD44よりも高速寄りになっていますが、どちらかと言えば低速ギアがより低速になっているという感じがするし、全体的にレンジが広く(低速と高速の落差が大きく)なっていますね。


次に、他のトレールバイクとどう違っているのかも気になったので、可視化してみました。セロー250、WR250R、KLX230 SHERPAを入れた5台で比較することにします。セローは5速が最高です。



これだと線が詰まっていて見づらいので(笑)、5台の平均値からの乖離を見ることにしました。



これはこれでイメージしづらい面もあるのですが、1速から最高速ギアまでの車種ごとの違いはわかります。

  • CRF(MD47)は、確かに6速が高速に振ってある。MD44と比べても、他の車種と比べてもそう。
  • ただし、セローの5速は、CRF(MD47)の6速よりも高速寄りなので、ギア比だけでいうなら「CRFは6速が高速に振ってあるのでセローよりも高速走行が得意」とか言うと誤解を生むことになる。まぁ、高回転までまわりやすいエンジン、シート高の高さ、車体の剛性、直進安定性の高さなどがあいまって、CRFのほうが高速が快適なのは確かだと思いますが。
  • CRF(MD47)は、1速が極端に低速寄りになっている。
  • シェルパは2〜5速が全体的に低速寄りになっている。


という感じですが、まぁ、2枚目のグラフから分かるように正直そんなに大差ないので、エンジンそのものの特性の違いとかのほうが大きいかも知れません。

トレールバイクの比較(CRF vs KLX vs セロー vs WR vs トリッカー)

私は去年、何となくオフ車に乗りたくなってCRF250Lsを衝動買いしまして、本来は買う前にもっと車種ごとの特性を比較しておいたほうがよかったような気もしています。私は通勤でも乗っていて高速道路もよく走るので、結果的にCRFが快適で良かったのですが、山へ行って林道遊びをする上では、正直トレールバイクの中でも扱いにくいほうだと思います。
そのへんを、スペック差で整理しておこうと思いました。


オフ車は大きく「レーサー」と「トレールバイク」に分けられることが多く、トレールバイクというのは、公道走行可能なセッティングで、かつレーサーとは違って耐久性や扱いやすさを確保した車種ということになると思います。
単に「公道走行可」ということでいえば、BetaのX-TrainerやハスクバーナのTEは、レーサーだけど純正で公道走行可能なセッティングのものが売られてますし、4スト車だと、マイナーですがホンダのCRF450Lや最近登場したトライアンフのTF250-Eも「公道走行可能なレーサー」ですね。レーサーなので、メンテナンスサイクルが非常に短く、私は乗ったことないですがパワーの出方も極端なのだと思います。
で、トレールバイクは、旧車を遡っていけば選択肢はすごくたくさんありますが、いま新車かそれに近い状態で買いやすいものとしては、ホンダのCRF、カワサキのKLX、ヤマハのセローになると思います。ヤマハについてはWRとトリッカーも加えた上で、下のようにスペックの表をまとめて見ました。



スペックだけみて分かるものでもないと思いますが、なんとなく、林道遊び向きなのか、ツーリングや高速道路向きなのかの比較はできると思います。
林道と言ってもいろいろな場面があるので、一概にどの車種が向いていると断言できるものではないですが、私のような初心者の場合、高速でコーナーリングしたりはしないので(笑)、ガレ場や段差などの少し険しい路面でコケたり引っかかったりせずに走破できる車種が「林道で扱いやすい」ということになります。要するに、「最悪、二輪二足でいけば何とかなる」という安心感が重要です。


その観点でいうと、まず問題になるのは「重さ」と「足つき」でしょう。重量はとにかく軽いほうがよく、シート高は低いほうがいい。私が乗っているCRF250Lsは、重量が重くて足つきが悪いので、転倒するリスクは高く、コケたあとの引き起こしも疲れます。
ただし、シート高が低くなると最低地上高も下がってしまって、腹打ち・腹擦りするリスクが上がるので、そこはトレードオフになります。
CRFの「s」が付いていないほうは足つきが多少いいのですが、最低地上高が4センチ下がってしまうので、私は足つきが悪い方にしておいてよかったと思っています。実際285mmでも、腹を擦ることは普通にありますし。


最小回転半径は小さいに越したことはないですね。林道では小回りが求められる場面は多いので。CRFはハンドルの切れ角が浅めで最小回転半径が大きいです。


リアタイヤがチューブなのかチューブレスなのかも付けておきました。セローのリアがチューブレスなのは有名ですが、こんど出るシェルパSもリアがチューブレスになるというニュースがありました。チューブレスのほうが、リアのパンクを気にせず空気圧を落とすことができて、走破性は上がると思います。


総減速比は、一次減速比と変速比と二次減速比をかけあわせたもので、大きいほど「低速寄り」ということになります。林道は低速よりのセッティングのほうが走りやすいです。
「最小」は5速や6速などいちばん高いギアの場合で、最大は1速の場合です。まぁこれは、スプロケの丁数を変えて二次減速比を変えることで調整できるので、あくまで標準のセッティングではこうなってるというだけの話ですが。CRFは二次減速比(ドライブスプロケットとドリブンスプロケットの歯数の比)が小さめで、高速道路向きなのですが、よくよく見比べると、1速の変速比がすごく大きい(低速寄りになっている)ので、結果的に総減速比の最大値が大きく、低速寄りから高速寄りまでの幅が広いという感じでしょうか。


総じて言えば、私が乗っているCRF250Lsはやはり、林道遊びよりはツーリング寄りですね。実際、林道では図体の大きさが課題である一方、高速道路なんかは超快適です。ふだん、大型のオンロードバイクトライアンフのT120)にも乗っていますが、快適さの度合いは同じくらいです(笑)
初心者が林道に行って、悪路を怖がらずに走れるという意味では、おそらく軽快さに振り切っているトリッカーが最強で、次にセロー225ですかね。こういうシート高が低い車種は、オフロードでも速めの速度でコーナーリングする時は乗りづらいとか言われますが、初心者にそんな場面はないですし。また、トリッカーはホイールが19-16と小さい(CRF125Fとかと同じですね)のでフルサイズ化したほうがいいのだと思いますが、初心者にとってはガチな走破性よりも、軽さと足つきの良さでガレ場や段差を安心して走れることのメリットのほうが大きいんじゃないでしょうか。


なお、エンジンやサスペンションの話を全然していませんが、そのあたりは、「初心者の林道走行への適性」を考える上ではあまり問題にならないと思います。

CRF250Lsのリアタイヤとフロントスプロケットを交換

CRF250Lsのリアタイヤと、フロント(ドライブ)スプロケットを交換しました。
タイヤは、純正のIRC GP22から、DUNLOPのD603に変えました。劇的に変わるわけではないと思いますが、少しオフロード寄りのタイヤということになります。
スプロケは純正では前14丁-後40丁ですが、前を13丁にして少しショート(低速寄り)にしました。林道を走っていて、2速がもうちょっとだけパワーあるといいなと思っていたので。


左が古いGP-22ですが、6000kmほど走って、真ん中のブロックがだいぶ低くなっています。右が新品のD603です。


左が純正の14丁、右がDRCの13丁のものです。


交換後です。真ん中の金具がけっこう錆びてたので、軽くサビ取りをかけて拭きましたが、あまりそういうのこだわるタイプではないので、写真程度の状態で完成としておきました(笑)
私はマメに洗車をしないので、全体的にけっこう錆びてますね。


チェーンの張りやアラインメントについては、目分量で適当にしかやっていません(笑)
オフ車はサスペンションが大きく沈み、チェーンが引っ張られるので、スイングアームから上に5cm程度遊ぶぐらいにするようです。(リアサスペンションを沈めて一番チェーンが伸びた状態で1cmぐらい遊ばせるという考え方もあるらしい)


スプロケは、こんど林道を走ってみて、もう少しショートにしたいと感じたら、リアを42丁とかにしてみるかも知れません。YouTube情報では13-42ならチェーンのリンク増やさなくても行けるらしい。
通勤でCRFをけっこう使っているのですが、行きは高速道路に乗ることが多く、林道仕様では快適ではないかもしれないので、15丁の前スプロケを買っておいてふだんはそれを付けておいてもいいかもですね。フロントだけなら15分もあれば交換できるので、週末に林道を走る前に交換してもそんなに手間ではないです。
ツーリングで遠出するなら、なおさらロングにしたほうがいいですが、ツーリングはCRFではなくボンネビルT120のほうで行くことが多いので、通勤程度なら林道仕様のままでもまぁいいかも知れません。


タイヤも、本当は、通勤用と林道用をわけたいのですが、スプロケの交換に比べれば少し手間なので、まだ迷っています。

CRF250Lのデカールは全部はずすのが正解?!

CRFのデカールを全部剥がしてみたのですが、裸のほうがスッキリして見た目がいいことに気づきました。



もともとは、カスタムデカールのセットを買って貼っていて、いまいち気に入らなかったので別のセットを買って半分ぐらい貼り替えた段階で、めんどくさくなって2つのセットが混在している状態で走ってました(笑)
で、最近、機能性に特化してるほうが「オフ車らしい」感じがするので、装飾を外して無機質な「練習機」っぽくしようと思い、デカールを剥がしてみたのですが、案外スッキリして綺麗だなと思いました。
シートの「HONDA」のロゴもなくしたいぐらいです。
ただ、白いパーツのあたりとかちょっと寂しいので、小さいステッカーを貼るか、何か部品をつけるといいのかも知れません。


CRFでお世話になっているバイク屋のスタッフさんも、「デカール全部剥がすとめちゃめちゃかっこいいですね。僕のも剥がそうかな」と言ってました。
まぁ「めっちゃかっこいい」は言い過ぎだと思いますが😅
「スッキリしていて好感がもてる」ぐらいの感じですね。